口に入れた瞬間にひろがる甘みと酸味の最高のバランス。
品種・技術・園地が揃って初めて実現できる奇跡の味わい。
日本を代表するブランド「有田みかん」
「樹上熟成 灯(あかり)みかん」が栽培されている和歌山県は温州みかんの生産量日本一で知られています。特に有田地方の「有田みかん」は日本を代表するブランドといえます。有田地方でのみかん栽培の歴史は古く、室町時代にさかのぼります。有田市にある糸我稲荷神社に残る「糸我社由緒」には「蜜柑」という言葉も記録されています。
江戸時代には紀州藩主・徳川頼宣がみかん栽培を奨励しました。山林が多く畑作に向かない土地が多い和歌山ですが、山を開拓し石積みの階段園(段々畑)を作りました。これが今では日本一の大産地の礎を築き上げたといえます。
有田地方の山々に広がるこの石積みのみかん園は江戸時代後期に書かれた紀伊国名所図会にもその様子が描かれ、産業としてだけでなく名所としても人々に愛されてきました。山頂からの自然の山林とみかん園、そこに住まう人々の住居が一体となって形成されるその景色は非常に美しく、自然と人間社会が調和しているようにも見えます。その調和の間にあるのがまさに古くから続くみかん園なのです。この有田みかんの歴史とシステムは、日本農業遺産にも認定されました。450年以上の歴史と伝統を持つ有田地方では、みかんは単なる農作物のいち品目ではなく、特別な存在なのです。
450年以上の
歴史と伝統
和歌山が生んだ最高傑作
「樹上熟成 灯みかん」はゆら早生という品種を木成り完熟させて作られます。このゆら早生という品種は和歌山県の由良町という場所で誕生し、町の名前を背負って登場しました。
1985年に山口寛二氏が宮川早生の突然変異の枝を発見・育成し、1995年に品種登録されました。登録された当時はその食味の良さは認められつつも安定的な栽培は困難を極め、生産量は決して多くありませんでした。
しかし、多くの技術者の研究によってゆら早生の栽培技術が向上し生産量が増え、その美味しさも多くの人に知られるようになり、急激にその価値が高まっています。
「シャインマスカット」や「ぐんま名月」などの極上フルーツが並ぶ2022年注目の果物ランキングでは柑橘から「紅まどんな」「せとか」などと並び「ゆら早生」がランクインしています。樹が弱りやすく栽培が難しいものの、他の品種を圧倒する糖度と食味を持つ和歌山が生んだ最高傑作の品種です。
すべてのゆら早生が「灯みかん」になれるわけではありません。まつさか農園は全体で3万㎡ほどの圃場がありますが、灯みかんが栽培できるのはたった10%です。ミネラル豊富で良い草が繁る、限られた畑でのみ生産できるのが「樹上熟成 灯みかん」です。
初めて灯みかんが生まれた畑は熊野古道に面した急傾斜地の山畑でした。土壌は山であっても畑のようにフワフワで、紫色の石がたくさん落ちているような場所です。マグネシウムや鉄、その他多くのミネラルが含まれて、自然の恵みを一身に受けているような畑です。
その畑の中でも特に良い樹を選んで収穫されるのが灯みかんです。限られた園地で、限られた品種の、限られた樹だけが許された名前なのです。
限られた園地で約1ヶ月の樹上熟成
2022年 全国みかん選手権最高金賞
「樹上熟成 灯みかん」は販売が始まってから多くの人に愛され、ネット販売においては収穫が始まる前の予約で注文上限になってしまうことが殆どです。リピートして下さるお客様はとても多く、予約枠の80%以上がリピートで埋め尽くされてしまう「もう一度食べたいみかん」です。2022年には野菜ソムリエ協会が行った日本一のみかんを決めるコンペティションであ全国みかん選手権に参加し、「灯り」が最高金賞を獲得しました。
薄い皮でとろけるような食感
長く木熟させることでさらに薄皮は薄くなり、果皮を剥いただけで果汁があふれるようになります。
果肉はぷるぷるとゼリーのようで口の中に甘味を広げていきます。
甘いだけでは、実現できない濃厚さ。
フレッシュで濃厚。まるで対極であるような2つの言葉を内包してしまうのが柑橘の甘味の神髄なのかもしれません。
自然の恵みが創り出した美味しさをぜひ味わってください。
自分達が食べて幸せになるものを作る
まつさか農園のメンバーは美味しいものが大好きです。農業をしている一番の理由は「美味しいものを食べると幸せ」だからなのかもしれません。
灯みかんはそんなまつさか農園の人々が大好きなみかんです。どの園地のみかんもそれぞれの良さがありますが、やっぱり灯みかんが大好きです。
灯みかんが生まれたのは本当に偶然でした。農繁期の作業に追われ、収穫が遅れてしまった樹がありました。見つけた時には本来の収穫期よりも1月ほど遅れており、大急ぎで収穫しました。
収穫している間は気付きませんでしたが、倉庫に戻って一つ味見をしてみると大変においしい事を発見したのです。その美味しいみかんが余りにも紅が濃かったことから「灯(あかり)みかん」と名付けました。
収穫期はみかんの果皮が柔らかくなるので木熟させるのは大変なリスクです。雨風が当たるだけで腐敗の原因になってしまうことすらあるのです。しかし、まつさか農園は木熟にこだわっています。
それは自分達が幸せになれるものを作りたいからです。
自分達が食べて幸せ、同じようにそれを食べて幸せになってくれる人はきっといる。
まつさか農園は家族経営の小さな果樹園なので、世界中のすべての人々に届ける必要はありません。自分達と同じように幸せになってくれる方にこのみかんをお届けしたいと思っています。
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